切削加工で大量ロットを手がける場合、どのような問題が発生しやすいのでしょうか。事前に知っておきたい問題と原因、その回避法についてまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
切削加工で多くの部品を削り出すと、大量の切り屑が発生します。また、形状が複雑なものを作成する際には加工時間も長くなり、シンプルな加工と比較すると、やや単価が割高になりやすいのも留意点。量産加工を続けると刃物摩耗等も起こりやすいため、CNC自動旋盤を導入する際は、管理やメンテナンス費用も加味しておきましょう。
切削加工時に発生する、金属の切りくず「切り屑」。これは避けて通れない問題であり、とくに大量ロット生産では当然ながら切り屑も大量に発生します。切り屑が多くなるとう排出がスムーズにいかなくなり、切削工具やワークに巻き付くといった問題が発生。加工した製品に傷がつく、切り屑が詰まって工具が破損するといったトラブルが起きやすくなります。
また、切り屑が刃物に付着する構成刃先も問題です。本来の形と異なる刃先がワークを削ることになるため、最悪の場合、大量のロスが発生する恐れがあります。
加工目的や品質・精度にこだわりたい部品製造のプロ向けに、下記リンクでは「CNC自動旋盤」国内メーカー3社をピックアップしていますので、こちらもご参考ください。
大量ロットの切削加工を行う場合、トラブル防止策として切り屑対策は欠かせません。切り屑対策にはさまざまな手段がありますが、まず挙げられるのはチップブレーカーが付いた工具を使用すること。チップブレーカーは切り屑を適切に分断・処理し、ワーク・工具への巻付を防ぐ効果が期待できます。また、切り屑を洗い流す高圧クーラントも有効です。
また、構成刃先を防ぐには切削点の温度を上昇させることも大事。切り込み量を増やす、切削温度を上昇させるといった方法を取り入れると、構成刃先によるトラブルを防ぐことができるでしょう。
大量ロットの受注頻度がそれほど多くなければ、その都度対応することで無事に加工を終えられるかもしれません。しかし、受注が継続する場合は対応が追いつかなくなり、従業員だけでなく費用的にも負担が大きくなってしまいます。
そこで、部品製造メーカーとして検討したいのが、現在のロット数に合わせた新機材の導入です。中でも、複雑で繊細な部品を大量加工するのに適した「スイス型CNC自動旋盤」は、ガイドブッシュと呼ばれる支え装置により「ビビり」や「たわみ」などの問題を減らせるのがポイント。高精度の部品加工に向いているので、細長い棒材の精密加工が必要な製造業の方は着目してみてください。
日本のCNC自動旋盤メーカーの中でも、主軸固定型CNC自動旋盤とスイス型CNC自動旋盤の両方をラインナップしている3社に着目。スター精密、ツガミ、シチズンマシナリー、それぞれのメーカーとしての強みや主力製品などを紹介します。
切り屑トラブルの防止や、
刃物台剛性によるたわみ抑制で
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【選定条件】2022年11月30日時点で「CNC自動旋盤」および「CNC自動旋盤 メーカー」とGoogle検索をし、ヒットした全14社を抽出。その中から、「スイス型自動旋盤/主軸固定型CNC自動旋盤」の両方を取り扱い、公式HP内で販売機械数がカウントできる会社の中から、販売機械数の多い上位3社を選定しています。