CNC自動旋盤では、連続稼働時にトラブルが発生すると生産性の低下につながる恐れがあります。ここでは連続稼働時に起こり得る問題点と、その解決策についてご紹介していきます。
自動運転でひとつの部品を量産することを得意とする自動旋盤ですが、連続稼働時に考えられる課題がいくつかあります。そのひとつが、「加工不良が発生した場合、不良品を大量生産してしまう」ことです。製品を連続で加工している際に、途中で加工不良が発生すると、それ以降の製品はすべて不良品となってしまう恐れがあるのです。これは企業にとって大きな損失です。
また、連続稼働で大量に生産すればするほど検査工数も増加。人力で検査を行う場合は従業員への負担も増え、ヒューマンエラーの発生が懸念されます。
連続稼働の際に起こりやすいのは、切削工具の刃先が小さく欠ける「チッピング」。切削加工では避けて通れないトラブルのひとつですが、チッピングが発生したまま連続稼働させると機械がストップする、工具破損につながる、仕上げ面が劣化するといった問題が起こりやすくなります。
また、連続稼働させると工具・製作物に熱変位が発生しやすくなるのも加工不良の原因のひとつ。とくに製作物が熱膨張すると、設定よりも深い切込みが入ってしまい、削りすぎによる加工不良が起こりやすいと言われています。
切削加工の連続稼働における加工不良、これを防止するための対策のひとつが機内計測です。機内計測とはタッチプローブなどのセンサを利用し、工作機械の中でワークや工具を計測すること。連続稼働時に加工不良の原因を察知し、不良品を大量に作り出す前に機械をストップするなどの処置を施します。
機内計測を利用することで、材料や時間といった加工不良による損失を防げる可能性がアップ。加工不良を発見した時点で機械を停めることができるため、全ロットを検査する必要もなくなります。
加工目的や品質・精度にこだわりたい部品製造のプロ向けに、下記リンクでは「CNC自動旋盤」国内メーカー3社をピックアップしていますので、こちらもご参考ください。
高い生産能力を誇る自動旋盤ですが、連続稼働における大量の加工不良の発生など、いくつかのリスクに備える必要があります。工作機械については一度導入したら終わりではなく、受注内容や運用方法などを考慮しながら改善していくことも考えなければなりません。
加工不良トラブルにひとつひとつ対応するのは効率が悪いため、メーカーとして行うべき対策としては機内計測の導入。また、スイス型CNC自動旋盤を導入するのもひとつの手段です。刃物台剛性の高いスイス型CNC自動旋盤を取り入れれば、安定した精度のもとで長時間の連続稼働が実現しやすくなるでしょう。
日本のCNC自動旋盤メーカーの中でも、主軸固定型CNC自動旋盤とスイス型CNC自動旋盤の両方をラインナップしている3社に着目。スター精密、ツガミ、シチズンマシナリー、それぞれのメーカーとしての強みや主力製品などを紹介します。
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