こちらの記事では、各社で提供しているタレット型旋盤について紹介しています。特徴とメーカーの製品についてまとめていますので、導入を検討する際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
クシ刃型旋盤は、髪をとく「クシ」のような形状をしており、刃具を横送り台に並列に固定して使います。刃具の位置割り出しが送り台の移動だけで行えるため、割出時間が高速となることが特徴です。また主軸が同じ台に設置されるので、加工時に発生する摩擦熱の影響を受けにくく、高精度な量産加工に適しています。
タレット型旋盤は、円形の回転機構に放射状に刃具を取り付けることで使用します。旋回させて刃具の割り出しを行うため、割り出し時間は長くかかるものの、多工程の加工を自動で行えます。刃具同士の干渉も起こりにくく、加工時に切粉の影響も受けにくくなります。
タレット旋盤はタレット以外のさまざまなパーツを組み合わせて構成されています。タレット旋盤における基本的な構造は「主軸台」「往復台」「ベッド」「送り装置」となっています。
1950年に設立されたスター精密は、電子機器・工作機械・精密部品メーカーであり、工作機械で大きなシェアを持つ企業です。設立当時は5台の自動旋盤による腕時計用の部品やカメラ部品などの製造・販売を行っていましたが、その後同社の持つ技術を活かすために工作機械の改良・改造を行い、スイス型自動旋盤などの工作機械を自主生産。現在は、CNC旋盤の総合メーカーとして、さまざまなラインナップの提供を行っています。
対向タレット型刃物台による旋削、ミリングなどの同時加工を行うことによって、加工に要する時間を短縮できます。さらに、バック専用タレット型刃物台を搭載しており、メイン側と同等の複合加工を実現できる点も特徴の一つです。また、独自の制御技術である「スターモーションコントロールシステム」によって非切削時間の短縮を行えます。
創業から100年以上の歴史を持つ工作機械専業メーカーとして、CNC自動旋盤やマシニングセンタ、自動化ラインにおけるFAセルなどの開発・製造を手がけているTAKISAWA。顧客のニーズに合わせたカスタマイズマシンを製造できる技術が同社の強みのひとつです。
TCC-1100は省スペース型の6チャックCNC旋盤です。従来機と比較すると速送速度が50%高速化(Z軸)している点や、熱変異が抑制されることにより高精度化している点などが特徴となっています。
また、強力8角タレット刃物台を標準としています(12角をオプション設定)。フランジ・シャフト小物の加工に向いている機械です。
時計メーカーであるシチズンの子会社であり、高い精度の加工技術と小型化技術を特徴として製品を製造してきたメーカーです。自動車や医療、IT業界などで活用されるCincom、自動車や建築機械、油圧機器分野で使用されるMiyanoといったブランドを提供しています。
Miyano BNA42CYは「バー&チャッカー」をコンセプトに開発された主軸台固定型CNC自動旋盤です。
1スピンドル1タレットというシンプルな構造となっていますが、パワーチャックなどのオプションとガントリーローダーとの組み合わせによってチャッカー機として生産ラインに組み込むことが可能となる点も特徴のひとつといえるでしょう。
1898年に創業し、1904年から工作機械の製造を手がけているオークマ。現在は世界各国に拠点を持っていますが、製品の9割は日本で生産されています。同社の工作機械は主軸の精度の高さが特徴となっており、厳格な基準でのチェックが行われています。
オークマの立体CNC旋盤 Vシリーズは、大径12角タレットを採用することで、パーマネントセットを含めた容易なツーリングを可能にしています。
こちらのシリーズは中型・大物の箱や異形のワーク加工時におすすめ。箱型ベース・コラムを採用しており高い信頼性のある高剛性構造となっている点に加えて、加工物の自重でチャック基準面に密着することで安定加工を実現しています。
欧州の精密工作機器の輸入販売会社として1924年に発足したYKT株式会社。現在は国内外のさまざまな生産設備について、高い技術・コンサルティングに基づいて提供を行っている企業です。また、お客さまのニーズに応えるため充実したサポート体制を用意しています。
1994年に初期型がリリースされ、以来改良され続けているベストセラーのCNC自動旋盤です。
工具は最大27本搭載でき、複雑な形状となっている部品を高速加工できる点が特徴。高い切削能力を持つ主軸を活かし、3ヶ所同時加工を行うことが可能。短時間で着脱でき、再現性に優れている特許W溝工具ホルダインターフェースが用意されています。
創業以来さまざまな機械・周辺機器を提供してきた日章機械株式会社。特殊治工具や専用機などの設計製作を手がけており、技術力を持つ商社兼メーカーとしての歴史を歩んでいます。1990年代からは半導体や液晶製造装置の製造も行っています。
NNTL-16は、六角タレットを採用した超小型のタレット型NC旋盤です。
豊富に刃物を乗せることが可能となっている点に加えて、7インチのタッチパネルを備えており簡単に操作可能。また、ティーチング機能を備えている点や、オプションによりネジ切り機能やテールストックも用意されている点も特徴のひとつとなっています。
長谷川機械製作所は、1928年に創業した小型NC工作機械メーカー。「大は小を兼ねない」をコンセプトとして、NC旋盤やマシニングセンタ、自動化システムなどを製造。コンパクトかつ高精度な、優れた機械を作っていることから、国内・海外で高い評価を得ている企業です。国内では、福島県西白河郡にある白河工場にて一貫生産を行っており、海外にも拠点を置いています。
TZ25MYは、24ツールが装着できる12角タレットのターニングセンタです。主軸をX軸に、12角タレット刃物台をZ軸、Y軸に動かすことによって、コンパクトさを維持しているにもかかわらず、精度・利便性が格段に向上している点が特徴となっています。
1893年創業の北村製作所は、CNC旋盤など精密工作機械の製造及び販売を行っている企業です。基本製品をベースとしてお役さまの要望に応じたカスタマイズを行える点が特徴。20年以上お客さまが持つニーズに対応し続けてきたことから、さまざまなノウハウを保有しています。特殊ユニットと搬送装置のオプションによりカスタマイズを行い、お客さまの独自仕様を実現できます。
回転工具付きの超小型精密CNC複合タレット旋盤です。この「TX-75D」は、「TX-75」に回転工具とリジットタップ、CS輪郭をプラスして、複合加工=1チャックを実現することができます。さらに、このTXシリーズはコンパクトであるにもかかわらず高剛性・高精度である点が特徴です。
複合加工機を製造している工作機械メーカーの中村中村留精密工業精密工業。複合加工機や旋盤に強みを持っていることに加えて、ガラス加工で使用される光学機械も手がけている点も特徴です。石川県を拠点としていますが、海外へ製品の輸出も行っており、グローバルな事業展開を行っている企業です。
上刃物台に旋回角度182°のB軸を持つ点が特徴のタレット型複合加工機です。上下刃物台にはミーリング、Y軸を標準装備した12角24ステーション刃物台を装備。旋回B軸により、標準ミーリングホルダーで斜め穴や傾斜面、任意の角度面のミーリング加工ができるようになります。特殊ホルダーの購入は不要であり、リードタイムの短縮につなげられます。
小型精密CNC自動旋盤と自動化装置を取り扱っているタカハシキカイは、精密加工技術はもちろんアフターサービスにも強みのあるメーカーです。国内外で多くの納入実績もあることから、高い評価を得続けている様子も窺えます。機械の販売だけでなく自動化や省力化・無人化などの効率化に対する提案を行うことも可能です。
高剛性・高精密で使いやすい大きさの8stタレット型CNC旋盤です。X軸300mm・Z軸350mmのストロークが利用可能であり、オプションによってX軸350mmも対応可能となっています。主軸にはビルトインモーターを採用しており、主軸台内部にモーターを内蔵することでスピンドルをダイレクトに駆動し、ベルト駆動方式と比較すると高精度で高速回転での切削が可能になっています。冷却装置も完備しているため発熱対策も万全のソリューションです。
ツガミは取り扱い製品のラインナップが豊富なメーカーであり、加工精度の高さにこだわった製品力が強みとなっています。さらに業界内でも複数回の表彰を受けるなどその実力は広く評価されており、現在ではCNC自動旋盤に加えて、ターニングセンタ・マシニングセンタ・精密研削盤・精密転造盤の開発や生産を主な事業領域としています。
タレット、くし刃、背面刃物台すべてでY軸制御が可能なソリューションです。幅広いタレット面に複数の工具を取り付けることが可能であり、Y軸の移動によって工具の交換を行うことができます。回転工具を搭載しているためY軸複合加工も可能であり、タレットによる正面複合加工と背面刃物台による複合オーバーラップ加工ができる点も特徴です。豊富なツーリングオプションや自動プログラミングソフトの標準付属も強みのソリューションです。
日本のCNC自動旋盤メーカーの中でも、主軸固定型CNC自動旋盤とスイス型CNC自動旋盤の両方をラインナップしている3社に着目。スター精密、ツガミ、シチズンマシナリー、それぞれのメーカーとしての強みや主力製品などを紹介します。
切り屑トラブルの防止や、
刃物台剛性によるたわみ抑制で
安定生産が叶います。
取り扱い種類が多く、
様々なタイプから自社と
マッチするマシンが選べます。
先進技術と開発力を強みに、
省エネに寄与する
マシンを展開しています。
【選定条件】2022年11月30日時点で「CNC自動旋盤」および「CNC自動旋盤 メーカー」とGoogle検索をし、ヒットした全14社を抽出。その中から、「スイス型自動旋盤/主軸固定型CNC自動旋盤」の両方を取り扱い、公式HP内で販売機械数がカウントできる会社の中から、販売機械数の多い上位3社を選定しています。