旋盤の種別のうち、このページでは刃物台のバリエーションとしてクシ刃型刃物台とタレット型刃物台にフォーカス。汎用旋盤で使われるフラット型刃物台は、最大4本までしか刃物をセットできないので、高度な加工を強みとするスイス型CNC自動旋盤の機種選定には、クシ刃型とタレット型との二択で比較するのがおすすめです。
クシ刃型刃物台とは、旋盤の切削工具となる刃物を横並びに並列レイアウトしている刃物台を意味します。刃物は送り台上に固定され、被削材に対する平行移動を繰り返す構造。送り台の往復移動の範囲で刃物の位置割り出しをするだけで済むため、工具交換がスピーディーにできるのも、クシ刃型刃物台タイプの特徴といえるでしょう。
刃物台には複数の異なる刃物をレイアウトすることが可能。旋盤メーカーによる表記の違いもありますが、クシ刃型刃物台にもシングルクシ刃、門型クシ刃、ダブルクシ刃、クシ刃+タレットといったバリエーションをラインナップしているケースもあり、選択肢は多様といえるでしょう。
タレットには旋回砲塔や回転砲塔といった意味がありますが、円周状に複数の刃物をレイアウトして、刃物台を旋回させることで異なる加工をシームレスに行うことができる装置。機種によっては10本以上の刃物をセットしておくことも可能で、刃物の入替も自動化できるなど、複雑な部品加工の効率化に寄与します。タレット型刃物台による加工作業は、タレットの旋回割り出しをすることで順次使う刃物を移動する仕組みを採用。外丸削り・穴あけ・穴ぐり・ねじ切りといった加工が可能です。
スイス型CNC自動旋盤のタイプ別の中で、クシ刃型刃物台かつ主軸台移動型の機種を「自動盤」と表記するケースがあります。機種選定の情報収集をするにあたっては、各メーカーの製品情報に加え、工作機械や旋盤に関する専門メディアなども併せてご覧ください。また、スイス型CNC自動旋盤にもタレット型刃物台を備えた機種はありますが、用語や表記の使い方次第で対象スペックが異なるケースがあることも知っておきましょう。
なお、クシ刃型刃物台かつ主軸台移動型のスイス型CNC自動旋盤を手掛けている国産メーカーについて調べたい方は、下記のリンクもご参考ください。
クシ刃型刃物台とタレット型刃物台、それぞれの特性を解説するとともに、導入メリットも比較してみました。
クシ刃型刃物台はひとつの台上に複数の刃物をレイアウトするため、刃物を旋回させるタレット型に比べると加工を繰り返す際の精度に優位性があると考えられます。加工に伴う摩擦熱の影響を受けにくいという特性もあり、大量の部品加工を行った場合でも、比較的精度のバラツキが抑制されるといったメリットも期待できます。
タレット型刃物台はより多くの刃物をセットできる分、工程数が多く複雑な加工も得意とするところ。クシ刃型刃物台との比較でいえば、刃物同士の干渉が起きにくいといった特性もあります。切削加工に伴って発生する切り屑による影響も少ないといったメリットが考えられます。
連続加工や大量生産が求められる製造業では、どうしても加工トラブルは免れません。下記リンクでは、CNC自動旋盤における切削時や不良部品の問題を回避する方法や、加工ロスを未然に防ぐヒントなどを簡単に紹介しています。
加工作業を高い再現度で量産するという意味では、タレット型刃物台よりもクシ刃型刃物台を選択した方がよいともいえますが、加工工程数が多い場合など、クシ刃型刃物台でなければそもそも目指す量産体制の構築が難しいというケースもあるでしょう。タレット型刃物台とクシ刃型刃物台、それぞれに強みや導入メリットがあり、用途に合わせた使い分けをするのがベターともいえます。
そうしたニーズも踏まえると、クシ刃型刃物台でもシングルクシ刃よりもダブルクシ刃やクシ刃+タレットタイプを選択したり、タレット型刃物台でもダブルやトリプルといった選択肢の中からベストなチョイスを検討するのが賢明です。
さまざまなメーカーから提供されているクシ刃型旋盤の情報をまとめています。導入を検討されている方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
各社で提供しているタレット型旋盤を紹介しているページです。導入を検討する際に参考にしてみてください。
日本のCNC自動旋盤メーカーの中でも、主軸固定型CNC自動旋盤とスイス型CNC自動旋盤の両方をラインナップしている3社に着目。スター精密、ツガミ、シチズンマシナリー、それぞれのメーカーとしての強みや主力製品などを紹介します。
切り屑トラブルの防止や、
刃物台剛性によるたわみ抑制で
安定生産が叶います。
取り扱い種類が多く、
様々なタイプから自社と
マッチするマシンが選べます。
先進技術と開発力を強みに、
省エネに寄与する
マシンを展開しています。
【選定条件】2022年11月30日時点で「CNC自動旋盤」および「CNC自動旋盤 メーカー」とGoogle検索をし、ヒットした全14社を抽出。その中から、「スイス型自動旋盤/主軸固定型CNC自動旋盤」の両方を取り扱い、公式HP内で販売機械数がカウントできる会社の中から、販売機械数の多い上位3社を選定しています。