CNC自動旋盤の中でも、より高い精度と大量生産が求められる製造現場にマッチするのがスイス型CNC自動旋盤。その特長を説明するとともに、主軸固定型CNC自動旋盤との比較で、得意とする部品加工やプログラムの違い、機種選定のポイントなどを紹介します。
CNC自動旋盤の種別の中で、主軸の移動方法による分類となるのが主軸固定と主軸移動。このうち、後者の主軸移動型旋盤とも呼ばれるのがスイス型CNC自動旋盤です。
主軸固定型となるCNC自動旋盤は、加工する被削材をチャックで固定させて、X軸・Z軸に刃物を移動させて加工する機械。それに対してスイス型CNC自動旋盤は、刃物はX軸移動のみ、ワークがZ軸方向に移動します。チャックの先にガイドブッシュがあり、被削材を押し出すような形で、安定的に自動連続加工ができる点が大きな特長といえます。
主軸移動型CNC自動旋盤と主軸固定型CNC自動旋盤、それぞれの部品加工例を一部紹介します。どんな材料に適しているか、またどのくらいの精度で加工するかが重要なポイントとなります。
スイス型CNC自動旋盤 | 細長い棒材からつくる、比較的複雑で高精度部品など |
---|---|
主軸固定型CNC自動旋盤 | 棒材からつくる、比較的シンプルでサイズの大きい部品など |
「スイス型CNC自動旋盤」と「主軸固定型CNC自動旋盤」が具体的にどんな分野で役立つのか、編集チームが調査しました。例えば、以下のような部品加工を担う製造業の方は、加工する部品の形状や精度などと比較しながら、主軸移動型CNC自動旋盤と主軸固定型CNC自動旋盤いずれが適しているのかジャッジしてみてください。
・・・など
次のリンク先では、「スイス型CNC自動旋盤」の実力を動画やインタビューなどで解説しています。精密部品製造業者が知りたいQ&Aもまとめていますので、ぜひご覧ください。
スイス型自動旋盤が 世界で選ばれる理由は2つ。主軸移動型自動旋盤で細長い部品でも高精度に切削できることと、ガイドブッシュで材料を支えてたわみを防ぎ大量加工できることです。
ここでは、 国産メーカーの中にも、世界14拠点でスイス型CNC自動旋盤を販売するメーカー「スター精密」の代表機種と、 選ばれる理由について紹介します。
CNC自動旋盤のCNCはComputerized Numerical Controlのこと。加工のための数値制御をコンピュータプログラムによって管理します。プログラムは、加工するワークごとに作成する必要があり、段取り換えにも時間と手間が多少必要です。
このサイトでは、「CNC自動旋盤」と、複雑な精密部品製造に適した「スイス型CNC自動旋盤」の情報を網羅しています。はじめて“スイス型”を検討する際は、下記リンクもご一読ください。
スイス型CNC自動旋盤が使われる際の、切削工具の違いについて説明します。
CNC旋盤用ホルダはダブルクランプ方式と呼ばれるものですが、スイス型CNC自動旋盤用ホルダは「スクリュークランプ式」が多く、CNC旋盤より小型になります。
構造もシンプルで、小型インサートを搭載する小型ホルダに適しており、インサートクランプ力が強いため刃先の位置決め精度に優れ、精密部品の高精度加工に向いています。
CNC自動旋盤ではネガインサートを使用しますが、スイス型CNC自動旋盤ではポジインサートの使用が向いています。
スイス型CNC自動旋盤では小径で高精度のワークを加工するため、切削抵抗が高いとビビリや寸法不良の原因となります。逃げ角が付いたポジインサートを使用すれば、切削抵抗を削減し、安定した加工が実現できます。
CNC旋盤ではM級、スイス型CNC自動旋盤ではG級・E級がよく使用されます。このアルファベットはインサート精度を表しており、コーナー高さや内接円許容差が、ワーク寸法の精度に影響してしまいます。 スイス型CNC自動旋盤は小径ワークを高精度に加工するため、インサート精度の高いG級またはさらに高精度のE級が使われます。
CNC旋盤では一般的に耐摩耗性に優れたCVDコードが施されています。一方、高精度のスイス型CNC自動旋盤では、切れ味を重視するため薄膜でシャープエッジができるPVDコートが適しています。PVDコートは寸法安定性や耐溶着性にも優れており、スイス型CNC自動旋盤に最適です。
独自の「スラント型すべり案内面構造」で、刃物台の剛性を向上させたスイス型CNC自動旋盤です。加工目的に沿って刃物台・工具ユニットを組み合わせることで、多彩なツーリングバリエーションによる加工を実現します。
最適化したツーリングに合わせ、4タイプの刃物台から選択できます。G.B./N.G.B.切換え機構を搭載し、長尺でも短尺でも最適な加工を選択できます。
SB-16Ⅲは、独自の「スラント型すべり案内面構造」の高剛性クシ刃型刃物台を搭載することによって、長時間の連続加工でも安定した精度を実現できる点が特徴となっています。また、バイトホルダーとクリスドリルユニットの組み合わせによって、加工する部品の形状に合わせた刃物台仕様を選べる点もポイントです。
さらに、オペレーターの視認性や操作性を向上させるために、切削室側に向けた角度にカラーディスプレイ(10.4インチ)を設置しています。
SB-12R type Gは、加工の目的に合わせた工具ユニットと刃物台を組み合わせることが可能です。この点から、さまざまな加工を実現できます。
また、独自の「スラント型すべり案内面構造」によって、刃物台の剛性を向上させている点も特徴のひとつ。さらに、4タイプの刃物台から選択できる点、G.B./N.G.B.切換え機構によって、長尺・短尺に合わせた加工の選択もできます。
B038M SS38MH-5AXは、スイス型自動旋盤とマシニングセンタの融合による加工機であり、バー材から複雑形状部品の量産加工を行えるとともに、主軸移動型により長尺ワークの加工を行うこともできます。
さらに、オプション機能としてワークに合わせてガイドブッシュ・ガイドブッシュレスの選択も可能。さまざまなNC機能により、オペレーターをソフト面からサポートしてくれます。
B軸制御回転工具によって、任意の角度から加工が可能となっているCNC精密自動旋盤です。長時間加工を行ったとしても、熱変異補正機能が標準で搭載されていることにより、安定した加工を実現している点も特徴となっています。SS267-Ⅲ-5AX/SS327-Ⅲ-5AXでは、自動盤で同時に5軸加工を行えます。
また、標準で自動プログラミングソフトが付属されています。
さまざまな加工のバリエーションに加えてオプションが用意されているCNC自動旋盤です。
例えばY軸付背面刃物台によって背面複合加工・主軸側との完全オーバーラップ加工が可能である点、また、オプションのダイレクト駆動回転ガイドブッシュを利用することで高速・高精度な加工が可能となります。
さらに、長時間の安定加工を実現する熱変異補正機能を搭載している点に加え、標準で自動プログラミングソフトが付属しています。
Cincom A20は、機能性に加えてコストをさらに追求した主軸台移動形CNC自動旋盤です。ガイドブッシュ式/ガイドブッシュレス式の切り替え使用にも対応が可能。さらに、低価格を実現しながらも加工に求められる装置や機能を標準搭載している点が特徴。独自の制御方式を用いることにより、サイクルタイム短縮を行っている点もポイントです。
シチズンマシナリーのBシリーズは、世界的なロングセラーとして知られていますが、そのBシリーズがリニューアルすることにより高い完成度と低価格化を実現した主軸台移動形CNC自動旋盤です。
新たにø16mmモデルが加わることによって対象加工ワークの幅が広がったことに加えて、熱変異補償ツールレイアウトを搭載していることから、連続加工においても高い精度を維持できます。
Cincom L12VIIは、さまざまな加工ワークに合わせてガイドブッシュの着脱ができる小径対応5軸加工機です。また、高生産性と高い精度についてもこだわった設計が行われている点もポイントといえるでしょう。
さらに水平ツールレイアウトを採用しており、さまざまな回転工具によって多彩な加工にも柔軟に対応ができます。
スイス型CNC自動旋盤とCNC自動旋盤、それぞれの強みを踏まえつつ、どういった部品製造のニーズにマッチするのかを比べて見ましょう。
スイス型CNC自動旋盤の強みといえるポイントは、主に以下の3つとなります。
スイス型CNC自動旋盤は、CNC自動旋盤というグルーピングの中でもより小型かつ高精度であることが求められる部品加工に強みを発揮する旋盤機。それらを効率的に大量生産する必要があるなら、スイス型CNC自動旋盤を選ぶのが賢明です。
主軸固定型CNC自動旋盤もスイス型CNC自動旋盤同様、ワークごとにチャックして長いバー材から加工します。作られる部品は、軸受、シャフト、ネジ、バルブ、ギアなど。主に、回転運動を伝える部品製造で用いられ、鍛造や鋳込み後といった被削材の加工にも利用されています。
日本のCNC自動旋盤メーカーの中でも、主軸固定型CNC自動旋盤とスイス型CNC自動旋盤の両方をラインナップしている3社に着目。スター精密、ツガミ、シチズンマシナリー、それぞれのメーカーとしての強みや主力製品などを紹介します。
切り屑トラブルの防止や、
刃物台剛性によるたわみ抑制で
安定生産が叶います。
取り扱い種類が多く、
様々なタイプから自社と
マッチするマシンが選べます。
先進技術と開発力を強みに、
省エネに寄与する
マシンを展開しています。
【選定条件】2022年11月30日時点で「CNC自動旋盤」および「CNC自動旋盤 メーカー」とGoogle検索をし、ヒットした全14社を抽出。その中から、「スイス型自動旋盤/主軸固定型CNC自動旋盤」の両方を取り扱い、公式HP内で販売機械数がカウントできる会社の中から、販売機械数の多い上位3社を選定しています。