スイス型CNC自動旋盤のカギとなるガイドブッシュの役割

各種工業製品の中でも精密部品の加工に強みを持つスイス型CNC自動旋盤。細長い被削材を高い精度で加工できる仕組みのひとつであるガイドブッシュという装置について、概要や特徴を紹介、「ノンガイドブッシュ」についても説明します。

そもそも「ガイドブッシュ」とは？

ガイドブッシュが果たす役割の重要性を知るために、旋盤という工作機械の基本的な仕組みを簡潔に紹介しておきましょう。

旋盤には被削材をしっかり保持するためのチャックと呼ばれる装置があります。ここに被削材をセットして回転させ、刃物により切削加工を行います。この時、チャックと刃物の距離が近ければ被削材は安定保持されるのですが、チャックと刃物の距離が離れると被削材がたわんでしまって、精緻な加工が難しくなるわけです。

そこで、刃物のそばにガイドブッシュを装着。チャックから延びた被削材を保持することで、たわみをなくして安定加工を実現します。

スイス型CNC自動旋盤で用いられるガイドブッシュの特徴

スイス型CNC自動旋盤は精密部品を自動で連続加工できる点が大きな特徴。そのため、加工する被削材は細長い棒状で、切削加工をしながら順次被削材を送り出す機能をガイドブッシュによって実現しています。

スイス型CNC自動旋盤は、チャックを通した被削材が加工作業に合わせてZ軸に移動します。チャックの保持だけでは不安定になりがちな被削材をガイドブッシュが安定させることで、スイス型CNC自動旋盤は精密部品製造の繊細な切削加工を可能とするわけです。

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スイス型CNC自動旋盤の「ノンガイドブッシュ」を解説

ガイドブッシュがスイス型CNC自動旋盤の精密部品加工に重要な役割を果たしているのは確かですが、ガイドブッシュがない「ノンガイドブッシュ」仕様のスイス型CNC自動旋盤も存在します。

ノンガイドブッシュのメリットは、ガイドブッシュがない分、残材の長さを少なくすることができる点です。材料のムダを減らすことはコスト削減・収益性向上にも寄与しますし、部品製造が大量になればなるほど、こうした小さなコストカットの積み重ねが大きな成果にもつながります。

このノンガイドブッシュ仕様は、1台のスイス型CNC自動旋盤でガイドブッシュ仕様との設定変更ができる機種もあります。被削材が短尺な場合はノンガイドブッシュ仕様、それ以外はガイドブッシュ仕様という切替運用ができるわけです。

次のリンク先では、「スイス型CNC自動旋盤」の実力を動画やインタビューなどで解説しています。精密部品製造業者が知りたいQ＆Aもまとめていますので、ぜひご覧ください。

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「スイス型CNC自動旋盤」という
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画像引用元：スター精密公式HP
（https://star-m.jp/products/lathe/solutioncenter/index.html）

スイス型自動旋盤が 世界で選ばれる理由は2つ。主軸移動型自動旋盤で細長い部品でも高精度に切削できることと、ガイドブッシュで材料を支えてたわみを防ぎ大量加工できることです。

ここでは、 国産メーカーの中にも、世界14拠点でスイス型CNC自動旋盤を販売するメーカー「スター精密」の代表機種と、 選ばれる理由について紹介します。

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精密部品の出来を担保するガイドブッシュの役割【まとめ】

精密部品を安定して大量生産するためにはスイス型CNC自動旋盤が必要で、細長い被削材を高精度で加工にはガイドブッシュという装置が重要な役割を果たします。この点を前提としつつ、精密部品のマーケットニーズはより多様化している流れもあり、1台のスイス型CNC自動旋盤でガイドブッシュ仕様・ノンガイドブッシュ仕様の使い分けができる機種もあるほど。生産性向上という視点で見れば、加工精度を高めることとムダをなくすこと、両面での機種選定を検討する必要があるでしょう。