こちらの記事では、揺動切削についてご紹介しています。どのような加工方法なのか、またメリットや注意点などについてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
「揺動切削」は、刃具を振動させることによって切屑を細かく分断させる切削方法です。
工作機械の切削工具によってワークを加工する場合、切り屑が連続して発生してしまうと、この切屑が工具に絡まってしまう場合があります。こうなるといったん工作機械を停止させて切屑を切削工具から除去しますので、生産効率が低下してしまいます。加えて、切屑によってワークが損傷し、品質が低下してしまう可能性もあります。
このような課題を解決するのが揺動切削です。サーボモーター制御技術の活用により、素材の回転周期に合わせて工具を一定周期で振動させつつ切削を行っていくことによって強制的に空振りする領域を作り、通常は連続的に発生する切屑を分断させつつ切削を行えます。
揺動切削のメリットとしては、さまざまな加工において使用が可能という点が挙げられます。外径加工はもちろん、端面加工や内径加工のほか、溝加工や突っ切り加工、穴あけ加工でも使用できる点がメリットのひとつとなっています。
揺動切削を行いたい場合には、揺動切削機能をオンにするのみで切り替えが可能となっています。そのため、工具や加工条件の変更を行わず、同じままで加工を行えます。
揺動加工には設定機能が搭載されています。そのため、引数の変更によって周波数倍率Iや振幅倍率のKを容易に決めることが可能。ソフトなどを使用せずにスムーズに設定が行える点も注目しておきたいポイントといえるでしょう。
また、Gコードのコマンドのみで簡単に加工を実行でき、難しいプログラムなども不要となっています。
切屑を除去する時間が不要となるため、生産ラインの停止を未然に防いで安定した機械稼働を行えます。また、揺動切削を取り入れることにより作業員の怪我も未然に防ぐことにもつなげられます。
揺動切削を行う際の注意点はいくつかありますが、その中のひとつが「加工精度に影響する」点です。この点から、寸法公差や面粗度が厳しい場合の加工には適さないこともあります。また、送軸1軸のみの指令となるため、同時に2軸が動作するような加工においては、指令したX軸またはZ軸いずれかの揺動となる点にも注意が必要といえるでしょう。加えて、ネジ切りや早送り指令では揺動しません。
また機械の稼働状況にもよりますが、揺動切削を行った場合にはスライドやボールねじ、サポートベアリングなどに負荷がかかることになりますので、機械の寿命が短くなるリスクがある点にも注意が必要です。
加えて、揺動切削はサーボ軸モータとスライドの追従性がポイントとなります。この点から、主軸の回転数が高いケースや大型の機種においては効果が低くなるといった面もあります。
こちらの記事では、揺動切削はどのような加工方法なのかをご紹介してきました。切屑の処理方法の一つとして用いられている加工方法ですが、さまざまな加工において使用可能である、工具や加工条件を変える必要がない、スムーズな設定ができるなどさまざまなメリットが挙げられます。また、加工上のトラブルも減らせることから、安定した品質につなげられる面もあります。切屑対策を検討している場合には、ぜひこの揺動切削に注目してみてはいかがでしょうか。
日本のCNC自動旋盤メーカーの中でも、主軸固定型CNC自動旋盤とスイス型CNC自動旋盤の両方をラインナップしている3社に着目。スター精密、ツガミ、シチズンマシナリー、それぞれのメーカーとしての強みや主力製品などを紹介します。
切り屑トラブルの防止や、
刃物台剛性によるたわみ抑制で
安定生産が叶います。
取り扱い種類が多く、
様々なタイプから自社と
マッチするマシンが選べます。
先進技術と開発力を強みに、
省エネに寄与する
マシンを展開しています。
【選定条件】2022年11月30日時点で「CNC自動旋盤」および「CNC自動旋盤 メーカー」とGoogle検索をし、ヒットした全14社を抽出。その中から、「スイス型自動旋盤/主軸固定型CNC自動旋盤」の両方を取り扱い、公式HP内で販売機械数がカウントできる会社の中から、販売機械数の多い上位3社を選定しています。