主軸台や刃物台、チャックといったCNC自動旋盤の主だった仕組みとその役割を解説します。「主軸台移動型」と「主軸台固定型」の違いも合わせて、CNC自動旋盤という工作機械の構造を正しく理解するための基礎知識をご覧下さい。
主軸台、刃物台、スライド、チャック、ベッド、NC装置/操作盤、給材機というCNC自動旋盤を構成する7つのユニットについて、その仕組みや役割について説明します。
CNC自動旋盤は切削する材料を回転させますが、その主軸およびモーターなどから構成されるのが主軸台です。モーターの回転を主軸に伝える仕組みは、ベルトを使う方式と、ビルトインモータースピンドルというベルトを使わない方式とがあります。
材料を削る切削工具(バイト=刃物)をセットするのが刃物台。刃物台にはクシ刃型とタレット型、放射状の3種類があります。
クシ刃型は文字通りクシのように刃具を並列にレイアウトしたもの。タレット型は環状に刃具をレイアウトするのが特徴です。放射状は複数の刃具を放射状にレイアウトして、2本以上の同時使用もできるのですが、採用している機種は限定されます。
材料に対する切削加工を特定方向に移動しながら行うため、主軸台や刃物台をスムーズに移動させるための仕組みがスライド。レールのような形状になっていて、振動を吸収できるよう面接触でスライドさせるなど、加工精度への影響を抑える工夫をしている機種もあります。
加工する材料をCNC自動旋盤にセットして保持するための装置。比較的小型の機械では、コレットチャックが用いられます。大径の機械では、複数の爪で押さえる方式がスタンダードで、3つの爪を使うスクロールチャックだと、円筒状の材料を得意とします。4つの爪を使うインディペンデントチャックなら、円筒状ではない材料もセットできますが、心出しには注意が必要です。
その他、永久磁石や電磁石によるマグネット式、真空式で材料を保持するチャックもあります。
CNC自動旋盤に限らず、工作機械全般で装置の土台となる部分をベッドと呼びます。各種ユニットをレイアウトするだけの台座というよりは、振動や温度による影響を極力抑えて加工精度を確保することを目的としているため、鋳物により重厚に作られるのが特徴です。
CNC自動旋盤では、ベッドの同一平面・同一構造体の上に主要ユニットをレイアウトすることで、加工精度を安定させている機種もあります。
CNC自動旋盤はコンピュータ制御の自動旋盤であり、操作盤はプログラムの設定や変更などを行うものです。コンパクトなキーボードとモニターがオールインワンになっているコンピュータともいえ、工作機械としての運転・停止といった基本的なコントロールの操作パネルでもあります。
加工する材料を自動的に供給するためのユニット。CNC自動旋盤で使用する材料は、一般的に長さ1~4mの棒状になっていて、1本の材料から連続加工で部品を作るとともに、材料1本分の加工が終わると次の材料を供給できるので、間断なく高精度加工を続けるという業務の省人化にも大いに役立つわけです。
次のリンク先では、細長い棒材加工に適した「スイス型CNC自動旋盤」の実力を動画やインタビューなどで解説しています。精密部品製造業者が知りたいQ&Aもまとめていますので、ぜひご覧ください。
CNC自動旋盤の主軸台には、移動型と固定型という構造の異なる2つの種類があります。CNC自動旋盤は、加工する材料をチャックと呼ばれる支えによって保持しています。このチャックと切削箇所とが離れるに従って、材料自体がたわんでしまう傾向があり、この点をカバーするため各メーカーが様々な工夫をしています。
主軸台移動型は、チャックも含めた主軸台が加工作業に沿って移動するもの。切削工具が材料を切削する位置のそばにガイドブッシュがあり、たわみ対策としています。一方、主軸台固定型は、主軸台を固定したまま移動はさせない代わりに、切削工具を移動させる構造を採用しています。
以下のリンクでは、CNC自動旋盤を選ぶ際に知っておくべき「主軸移動型」と「主軸固定型」の違いや、長い切削材を支えて安定供給を促す「ガイドブッシュ」、刃物台の種類についてなどを解説しています。機種選定の参考にしてみてください。
主軸台移動型のCNC自動旋盤に備わっているガイドブッシュ装置は、細長い材料を安定保持させて精密な加工を施すのに適しています。主軸台固定型が太く短い材向きとされるのに対して、主軸台移動型ならφ1.0mmの材料経も加工可能となるのは、加工箇所から1~2mm程度の位置でガイドブッシュ装置が材料を保持するからです。
参照元:日本特殊陶業公式HP(https://www.ntkcuttingtools.com/jp/column/swisslab1/)
参照元:シチズンマシナリー公式HP(https://cmj.citizen.co.jp/special/)
CNC自動旋盤というカテゴリーの機種でも、「主軸台移動型」と「主軸台固定型」という違いをはじめ、機種によって特性には異なるもの。材料の形状や刃物台の種類など、複数の選定ポイントをチェックして、製造現場のニーズにマッチする機種を見極めることが重要です。
また下記では、CNC自動旋盤を開発・製造しているメーカーを17社リストアップして紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
日本のCNC自動旋盤メーカーの中でも、主軸固定型CNC自動旋盤とスイス型CNC自動旋盤の両方をラインナップしている3社に着目。スター精密、ツガミ、シチズンマシナリー、それぞれのメーカーとしての強みや主力製品などを紹介します。
切り屑トラブルの防止や、
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先進技術と開発力を強みに、
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【選定条件】2022年11月30日時点で「CNC自動旋盤」および「CNC自動旋盤 メーカー」とGoogle検索をし、ヒットした全14社を抽出。その中から、「スイス型自動旋盤/主軸固定型CNC自動旋盤」の両方を取り扱い、公式HP内で販売機械数がカウントできる会社の中から、販売機械数の多い上位3社を選定しています。